新空港開港以来、連日大勢の観光客でにぎわう竹富町の離島航路だが、きょう29日からはゴールデン・ウイークに入り、さらなる混雑は必至だ▼3社で現在、1日最大約100便(片道)が運航するまでに発展した今の離島航路は、その間三つの大きな“変革の波”があった▼一つ目が1972年の本土復帰直後のホバークラフト就航。二つ目が池間義則八重山観光フェリー前社長らが導入に奔走した94年の県内初の浮桟橋設置。三つ目が2007年の離島ターミナル新設だ▼各島々を飛ぶように走るホバークラフトは、町内どの島も1時間以内で結ぶ今の“高速船時代”の契機となり、浮桟橋はそれまで潮の干満で船の高さが上下する中、船首から乗り降りしていた乗客の危険性を解消した▼そして離島航路を劇的に発展させたのが、ターミナルの新設だ。それまで待合室も何もなかった離島桟橋に新設された、空港並みの発着案内の電光掲示板やテレビ、クーラーなどを備えた広々としたターミナルは一気に利便性、安全性を高め、南(ぱい)ぬ島々の旅を快適にした▼それは浮桟橋導入直前39万人だった竹富町の観光客が、昨年は115万人余の約3倍になったことでわかる。島々の魅力は八重山全体の観光に連動する。次の変革は何を期待し何をどう望むかだ。(上地義男)
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