昨年後半から続く日照不足や多雨、温度変化などの影響で、オクラやカボチャなど園芸作物が大きな被害を受けており、JAおきなわ八重山地区営農振興センターによると、作物によっては今期の出荷量が前期の半分以下になるおそれもある。今期は、サトウキビが低糖度になっているほかパイナップルも小玉傾向にあるなど、農作物全般に天候の影響が広がっている。同センター園芸協議会の兼浜秀雄会長ら16人は27日午後、石垣市に窮状を訴え、種子や肥料など再生産につながる支援を行うよう要請した。
同センターは昨年10月からことし3月までの天候を「異常気象」とみており、園芸作物全体で、日照不足と低温障害による成育不良、長雨による疫病などがみられるという。
昨年10月からことし5月までの出荷量はインゲン3㌧で前期の43%、カボチャ96㌧で同49%、ゴーヤ32㌧で同67%、オクラ33㌧で同70%にとどまる見通し。マンゴーはつぼみが出るのが大幅に遅れており、ことし2月時点の調査で出蕾(らい)率は前年の74%から46%に低下した。
白保でオクラを生産する東内原辰雄さん(62)は「発芽しても疫病で立ち枯れたため、3回も植え替えをした。1999年からオクラを栽培しているが、こんなことは初めて。収量も少なくなるだろう」と嘆く。
兼浜会長は要請で「園芸作物は甚大な被害を受け、収穫量の減少、品質の低下などで生産農家は疲弊している」として肥料や種子、堆肥の購入支援を要望した。
照屋武美本部長兼センター長も「あらゆる作物に影響が出ている。園芸作物は過去にない減収が見込まれる。農家が生産意欲を失わないようにJAと連携して対策をとってもらいたい」と話し、中山市長は「JAと連携して対応し、全面的にバックアップする」と応じた。