松の葉を食害するガの一種、マツカレハ(カレハガ科)の幼虫が26日午後、底原ダム付近のリュウキュウマツで確認された。これまでのところ、リュウキュウマツの枯死は確認されていないが、幼虫が葉を食い尽くすと樹木が枯死することもあるため、八重山農林水産振興センターでは「大量発生する可能性もある」として発生状況を注視している。
幼虫は体長7㌢に達する大型の毛虫で胴部が銀色と黄褐色。全体に黒い毒針毛があり、刺されると激しい痛みとともに腫れあり、かゆみが1~2週間続く。
刺された場合の対応について、八重山保健所は「ピンセットやセロハンテープで丁寧に毒針毛を抜き取り、患部に刺激を与えない」としており、悪化やかゆみが長引くようであれば皮膚科を受診するよう呼びかけている。
マツカレハは全国に分布し、石垣市内では2004年2月に宮良小学校の松林や名蔵、嵩田地区などで大量発生し、県が薬剤散布で駆除している。
同センターによるとマツカレハは野鳥や蜂、クモ、アリなどの昆虫に食べられることが多く、人の入らない山中では大量に発生することはほとんどないが、民家の庭や道路の街路樹では天敵が少ないため、大量発生する可能性がある。
同センター農林水産整備課農林水産整備班の仲里貴正主任技師は「大量発生が確認された場合、薬剤散布をはじめ苗床となった松の処分などが必要になってくるかもしれない」と話す。