24日の石垣市民防災訓練で熊本地震と同じ「震度7」を体験した。地震実験車両での模擬体験だ▼突然「ドン」と突き上げるような衝撃を感じたと思った次の瞬間、激しい揺れが襲い、前後左右に体が激しく揺さぶられ、最後に体が左右に持っていかれるような幅の大きな揺れの後、収束した▼中央に置かれた四角いテーブルの前に座った状態で1分弱の模擬体験だったが、固定されたテーブルをつかみ体を支えないと座っていられないほどで、震度7の揺れのすごさの一端を体感した▼今回の体験では、あらかじめ震度7の地震を頭にインプットし、心も体も準備万端で臨んだが、熊本地震は予期せず、しかも夜中に起こった。被災地の皆さんは真っ暗の中、激しい揺れと倒壊する家屋、家財道具の中、無我夢中で家を飛び出し、断続的に続く余震に恐怖を募らせながら夜を明かしたことだろう▼熊本を中心とした被災地では、14日の地震発生から震度1以上の地震が900回以上発生。数多くの家屋が倒壊、停電、断水が続き、今なお大勢の人々が家に戻れず避難所や車中での生活を強いられている▼八重山では行政や学校、市民団体、企業などが被災地支援に立ち上がり、市民の間で支援の輪が広がりをみせている。被災地の1日も早い復興と平穏な生活が戻る日を願う。(下野宏一)
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