今期のマンゴーは、開花が遅れた上、開花率も低くなっており、収穫量への影響が懸念されている。宮古でも同様の傾向にある。八重山農林水産振興センター農業改良普及課が調査中で全体的な数字は把握されていないが、生産農家によると、開花率が3割程度にとどまっているハウスも。八重山マンゴー研究会(32経営体)の金城哲浩会長は「7月10日前後の出荷ピークがずれ込み、収穫量も落ちるのではないか」と心配顔だ。
マンゴーの花は、無数の小さな花が集まって房状になる。例年1—3月が開花と受粉の時期だが、ことしは1カ月近く遅れている。通常なら今の時期は一つの枝に無数に付く実を1個か2個に選別するが、まだ実が小さいため、作業に入れないという。
マンゴーを生産して約30年になる金城会長によると、開花率の低さについては11月から1月にかけての高温など気象の影響が要因の一つに考えられるという。
金城会長は「マンゴーの栽培技術は、まだ分からないところがある。課題は安定して開花させること。会員の技術や知識を積み重ねて解決していくしかない」としている。
一方、開花率が6、7割となっている生産農家は「花芽が出る動きをしたタイミングを見計らって、成長の動きを止めないためにハウスにビニールを被覆して温度を上げている。暑くなると徐々に換気している。工夫に工夫を重ねていくことが大事だ」と話している。