与那国町漁協(嵩西茂則組合長)は、熊本地震翌日の15日から、熊本地方卸売市場(西区田崎町)へのカジキの出荷を停止している。カジキは那覇を経由して福岡に空輸、福岡から熊本まで陸送しているが、確実に運べる見通しが立っていないため、同日から本島や石川県などに分散して対応している。熊本市場での卸先となっている大海水産は安定した価格で取引していることから、同水産に出荷できない状況が続けば漁業収入に影響が出る可能性もある。
漁協によると、カジキは例年11月から翌年3月までがピークとなっているが、今期は4月以降も1日平均10本の水揚げがあるなど漁獲量は順調だという。15日は5本500㌔を熊本に送る予定だったが、「高速道路の多くが通行止めになっており、陸送の途中でストップしたら大変なことになる」(嵩西組合長)として一時停止を判断した。
4月以降に水揚げされるカジキは脂の乗りが悪くなり、取引価格は下がる傾向にあるため、漁協は、安定した価格を維持してくれる同水産への出荷を続けたい考え。
嵩西組合長は「今期はカジキが順調に揚がっており、今月いっぱいは続くだろうと思っていた直後の自然災害だった。3日くらいたてば大丈夫だろうと思っていたが、余震が続いているほか、地震の範囲も広がっているので心配だ。熊本に確実に送れることが確認されるまでは、他の市場にばらして送ることにする。少しでも高いところに送りたい」と話している。