「これだと中国に対する抑止力は十分だし、もう宮古、八重山に自衛隊配備の必要はない」と言われるほど、巨額の予算で尖閣諸島の領海警備が強化されている▼石垣海上保安部で3、4年前から進められてきた「尖閣専従体制」は、先月で20㍉機関砲や遠隔放水銃、停船命令表示装置などを装備した1隻約57億円の新造の最新型巡視船10隻と改修のヘリ搭載型巡視船2隻の計12隻、600人余の配備が完了。尖閣は常時4隻以上が警備に当たる従来の2倍以上に増強された▼加えて宮古も、海上保安署を保安部に格上げし2018年度までに9隻約200人体制に増強する尖閣拠点整備が進行中だ▼さらに那覇の本部には24時間体制で尖閣を監視する新型ジェット機3機が導入され海、空から二重三重に中国公船にニラミを利かす▼これは軍事衝突の危険性を伴う自衛隊に頼らなくとも十分中国への抑止力となるものであり、その上に自衛隊配備というのは「屋上屋を架す」壮大な国家財政の無駄遣いだ▼与那国の自衛隊基地建設費は隊員150人で約300億円と同町予算の11倍に上る。これが600~800人のミサイルなども備えた石垣、宮古だと建設費は数千億円規模だ。税金は人を殺傷する武器や弾薬より保育士や介護士の待遇改善などに有意義に使いたい。(上地義男)
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