旧火葬場の南側に建設された石垣市の新しい火葬場「やすらぎの杜(もり)いしがき斎場」の落成・内覧会が27日午後、同施設で行われた。4月1日に供用開始される。同施設は「旅立つ故人の尊厳」や「見送る人の心」を大切にする空間などをイメージし、広々とした炉前ホールやエントランス、告別ホール、畳部屋を含む待合室2室を整備。火葬炉は3基あり、火葬から収骨までにかかる時間は、旧施設での約4時間から大幅に短縮され、約1時間半となる。
旧火葬場は1968年に整備され、老朽化が進んでいたため、市は2011年度から新施設の整備に着手。総事業費約8億2688万円のうち、約5億4908万円は一括交付金。敷地面積は5085.01平方㍍。延べ床面積1405平方㍍の鉄筋コンクリート造り一部2階建て。
使用料は「市内」「市外(竹富町、与那国町)」「その他(八重山地区以外)」の3分類。市内の場合は12歳以上の遺体でこれまでの1万2000円から県内他市町村と同程度の2万3000円となる。
中山義隆石垣市長は式典で「火葬場のイメージを明るくし、近代的な施設になった。深い悲しみのなかでも遺族の皆さんが故人を偲び、追想の場として利用してもらえるよう、管理運営に万全を期していきたい」とあいさつした。
式後には、内覧会も行われ、夫婦で訪れた登野城の男性(69)は「まるでホテルやレストランみたいできれいだ」、平得の女性(52)は「以前の火葬場は冬場は寒かったが、新しい施設は暖かく、待合室も広くて過ごしやすそう」と感想を述べた。