学び舎を巣立ち新生活が始まる春は旅立ちと別れの季節。進学や転勤で故郷を離れる人たちは希望に満ちた新たな旅立ちだが、家族や友人との別れなど期待と共に不安を抱いている人も多いと思う。人との縁を大切にすてきな出会いの新年度になってほしい▼公務員は人事異動のシーズン。管内の教職員人事が発表され、139人が新任地で勤務する。だが校長6人の定年を含め11人が退職、年々地元出身者が少なくなり「深刻な状況、八重山の将来が心配だ」との声も聞かれる▼今年は小学校教諭10人中8人、中学校は6人中2人の地元出身が新規採用されたが、まだまだ郡外の教職員に大きく依存しているのが現状▼採用試験や教頭、校長試験の地元出身者合格率は他地区に比べ低く、昨年の採用試験合格率は小学校8.2%(県16.4%)、中学校3.8%(同7.5%)と県平均の約半分▼八重山に比べお隣の宮古は、地元出身の教員確保の支援策がとられ、地元教職員が多数を占め、管外からの異動は少ないという▼教師を目指す人たちは地元で採用試験対策講座がないため本島に通い勉強する人も多い。市教委は今年から本島の事業者に講師派遣を依頼し対策講座を開設するようだ。以前から課題の人材育成、退職教職員を含めた地域ぐるみの環境づくりを急がねば。(辻本順子)
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