竹富町や与那国町の島々は今夏の7月以降、住民生活を圧迫している割高な物価負担がいくらかは軽減されそうだ▼それは県が2012年度から座間味や渡嘉敷など五つの島で実験的に実施してきた食品などに対する輸送費補助を新年度から石垣や宮古、久米島などを除くほとんどの小規模離島に拡大するためだ▼この「離島食品・日用品輸送費等補助事業」は酒・たばこ、玩具、スポーツ用品類などを除く食品や衣類、履物、日用品、医薬品、家電品などの生活必需品に限り、県と市町村が輸送費に助成するもの▼南・北大東島などは実証事業の結果、それまで本島に比べて平均で約4割も高かった物価が、輸送費補助で2割前後まで縮小したという。竹富町は石垣から、与那国町は本島と石垣からの輸送費に7月以降助成があるが、これにより各島々の厳しい暮らしはいくらかは緩和されそうだ▼石垣市では自民党サイドから「翁長県政は基地問題ばかりで離島振興策がおろそか」と批判が強いが、前知事の振興策はきちんと継承され、新たに与那国の光ケーブルや島たび助成など案外そうとも言い切れない▼またも繰り返された米兵暴行事件など基地問題は歴代知事の重荷だ。県政批判は当然あってよいが、一方で沖縄の「病根」除去には“恩讐(おんしゅう)”を超えるべきだ。(上地義男)
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