宮城県で2017年9月に開催される5年に1度の和牛のオリンピック、第11回全国和牛能力共進会で、八重山から20年ぶりの出品を目指している同共進会八重山地区推進委員会(委員長・佐久盛繁石垣島和牛改良組合長、委員12人)は15日、肥育牛部門の取り組みを本格化させた。同日、子牛生産農家から肥育農家に素牛4頭の引き渡しがあり、肥育農家は「良い石垣牛をつくりたい」と意気込んでいる。
全共には過去に石垣市から県代表として若雌部門に2頭が出品されており、今回初めて肥育部門の第9区(生後24カ月未満去勢肥育牛2頭1群)での県代表を目指す。
肥育用の子牛は宮城隆さん(登野城)、石垣諭さん(川平)、小波本英良さん(登野城)がそれぞれ2頭、1頭、1頭を生産。いずれも県種雄牛の北福波を祖父に持つ。
肥育は「と~家ファーム」(多宇司代表)とJAおきなわ八重山地区本部畜産振興センター八重山肥育センター(金嶺圭昇場長)が2頭ずつ行う。
肥育牛は通常、生後29カ月程度で出荷されているが、全共への出品牛は24カ月未満と短い。このため、県畜産研究センターが八重山版の飼育管理マニュアルを作成した。
と~家ファームの多宇翔司さんは「初めて24カ月未満で仕上げることになるので、追い込みをかけなければならない。追い込み過ぎてもいけないので、注意しながら良い牛をつくりたい」、金嶺場長も「初めてなので勉強になる。他の牛に応用ができればと思う」と話した。
引き渡し式であいさつした県八重山家畜保健衛生所の多嘉良功所長は「全共に向けてこれからが本番。推進委員会も全力でサポートする。肥育農家にはこれまでの肥育技術を存分に発揮してもらい、県代表を勝ち取り、名実ともに石垣牛の実力を全国に示してもらいたい」と期待した。