「来月からテレビの報道番組はどうなるだろうか。本当に政権批判が消えてしまうのか。となるとこの国は安倍政権の独裁国家になってしまわないか」そんな不安の声が日増しに強まっている▼というのも安倍政権に批判的なテレビ朝日系「報道ステーション」の古舘伊知郎、TBS系「NEWS23」の岸井成格、膳場貴子、NHK「クローズアップ現代」の国谷裕子の各キャスターらが今月末で相次ぎ降板するからだ▼そこには目的達成のためにはメディアでも何でも抑え込む政権の意向が強く働いているといわれ、それは県紙によると米ワシントン・ポスト紙が、「安倍政権は報道圧力をやめよ」と社説に掲げたほどだ▼古館、岸井氏は安保法制や原発をはじめ辺野古の基地問題も積極的に取り上げ、政権の理不尽さを全国に発信している数少ないメディアだ▼安保法廃止の岸井氏に対しては、安倍シンパの右派団体が全国紙に意見広告を掲載したが、同団体らは同局報道特集の金平茂紀や日下部正樹、羽鳥モーニングショーの玉川徹氏らにも批判的で、時事通信の田崎史郎氏らはその逆とされる▼しかし民主主義国家の根幹である「政権批判」が新聞やテレビのメディアから消える懸念が出るのは、安倍政権が確実に危うい道を進んでいる表れを実感する。(上地義男)
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