与那国町(外間守吉町長)は4日午後6時から、町構造改善センターで与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備の住民説明会を開く。住民説明会は2011年11月に防衛省が開いているが、町主催は初めて。説明会では、監視部隊の概要や配備で町内に整備される施設などについて説明し、町民に配備への理解を求める。町では、1日から防災無線で町民に知らせている。
外間町長は「自衛隊配備で新たな事業が出てくることが予想される。今後の島づくりをどう進めていくか、優先すべきことを町民と話し合い、総合計画に組み込んでいく必要がある」と話した。
説明会の開催を受け、自衛隊配備に反対している与那国改革会議の崎原正吉議長は「どういった内容なのか分からないが、参加して詳細を確認したい。あくまでも自衛隊配備には反対していく」と述べた。
防衛省は昨年12月24日に閣議決定した14年度予算で、同島への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備に約158億円を計上。同島付近を航行・飛行する艦船や航空機を監視して早期に察知する沿岸監視装置の取得や敷地造成、施設設計、庁舎建設などを予定している。
配備に伴い、町議会ではごみ処理施設の整備や光ファイバーの整備、自衛隊医官などによる医療支援、急患輸送への協力、地元経済への配慮など9件を防衛省に要求している。
防衛省と町では、昨年6月に町有地賃貸の仮契約を結んでいるが、配備予定地となっている南牧場は現在、農業生産法人㈲南牧場(大嵩長史代表取締役)が町から借りており、本契約を結ぶ条件として、同牧場との賃貸契約解除と防衛省による所有物件などの補償が付記されており、昨年末から防衛省が南牧場と交渉を行っている。