石垣市は2日までに、2010年8月策定の観光基本計画で設定した2020年までの入域観光客数の目標を、100万人から約150万人に上方修正する一部改定案をまとめた。150万人は、過去最高を記録した2014年の111万6313人より約26%増。目標達成には人材不足の解消、年間を通じた入域客数の平準化など課題も山積する。市は現在、同案のパブリックコメントを実施しており、18日まで市民意見を受け付ける。
市の入域観光客数は新空港開港以降に大幅に伸び、14年から2年連続で110万人を超え、20年には約137万人まで増加することが予想される。
150万人の目標値は、1000万人観光を目指す県の沖縄観光推進ロードマップで石垣島や周辺離島の需要予測が152万人(うち海外クルーズ24万人)と見込まれていることを踏まえて設定された。このうち、クルーズ船では15年の19万9888人から1.2倍の24万人以上、南ぬ島石垣空港国際線では7728人から10.4倍の8万人としている。
150万人の受け入れについて一部改定案は、島内宿泊は可能としつつ、夏場や週末に入域客が集中する状況を緩和することがこれまで以上に求められるとしている。
平準化に向けた取り組みとして▽季節を活用した旬のコンテンツの発掘・育成▽情報発信の一元化と通年化−を挙げている。
深刻になっている人手不足については「観光産業全体としての人材育成に向けた取り組みや観光に特化したインターンシップ(就業体験)プログラム、教育機関の誘致なども視野に、人材の確保に努める必要がある」としている。
石垣市観光交流協会の高嶺良晴会長は「客室について新たに(増築・新築に)手をつけているところもあるので、後は人材の確保が課題になるだろう。冬場の入域客数が少なく、年間を通じた平準化も必要だが、これも人材がいないとできない」と指摘している。