2014年度の「児童・生徒の平和メッセージ展」(県主催)で最優秀賞に輝き、沖縄全戦没者追悼式でも朗読された真喜良小学校4年(当時3年)の増田健琉(たける)君(10)の平和の詩「空はつながっている」に曲が付けられ、いしがき少年少女合唱団(砂川富貴子指揮者)が今秋の定期演奏会で披露する見通しになった。2日には、増田君の詩に感銘を受けたバイオリニストの河村典子さん(62)=静岡県富士宮市=がスイスの音楽仲間に作曲を依頼して完成した作品を手に増田君を石垣市内の自宅に訪ね、「会いに来られてよかった。この詩が生み出された環境を感じられてよかった」と語った。
河村さんはスイスと日本を行き来しながら音楽活動を行っている。健琉君の詩には14年に出合い、スイスの音楽仲間、ワルター・ギーガーさんに作曲を依頼。昨年12月に完成した。
初対面で緊張した様子の健琉君は「会えてよかった。自分の詩が歌になり、それが同年代の子たちに歌われるかもしれないということはうれしい。世界中に広まっていってほしい」と話した。
母親の乃どかさん(41)は「時がたっても詩への思いを持ち続けてくださったことはありがたい。曲が長く広く伝わり、世界がいい方向に向かうきっかけになってくれれば」と目を細めた。
河村さんは1日には指揮者の砂川さんに会い、河村さんと、夫でコントラバス奏者の白土文雄さん、ウクライナ人ピアニストのアレーナ・チェルニーさんとのコラボレーションを打診。
砂川さんは「未知数ではあるが、こんなチャンスはなかなかない。日程を調整して実現できるようにしたい。早速4月から練習に取りかかりたい」と前向き。河村さんは「楽器と子どもたちの声がどう交わるのかまだ分からないが、曲ができたことが祝福されて熟していってほしい」と期待する。