八重山地区学力向上推進実践報告会(八重山地区学力向上推進委員会主催)が27日午後、八重山合同庁舎で開かれ、学力向上推進に向けた取り組み状況の報告があったほか、富野小中学校と大本小学校の実践発表や、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官の赤堀博行氏の講演があった。
同地区では「幼児、児童生徒一人一人の『確かな学力』を向上させ、『生きる力』を育む」のテーマで、地区別ブロック型研究会や研修会の実施、読書活動の充実などに取り組んできた。
八重山教育事務所の棚原広幸指導主事は成果として▽全国学力テストで小学校の算数Aが全国平均正答率を上回るなど全教科で全国水準に達した▽各種授業改善研修会を開催し、関係教科の指導力向上と授業改善に向けての支援ができた|などを挙げる一方、▽中学校の各教科部会の活性化と内容充実▽学級活動や道徳を基盤とした学級経営の充実▽校種間連携の推進|などを課題とした。
大本小の実践発表では、同校5年の当銘由羅、大江みちる、川奈巧君の3人が野鳥観察や、野鳥保護のためにしている取り組みなどを紹介し、「課題から目をそらさずに自分たちで調べ、考えることが大事。この伝統を下級生にもつなげていきたい」と述べた。
赤堀氏は「確かな学力、健やかな体を支える道徳性の養成」の演題で講話。道徳教育の重要なポイントとして▽目標や重点内容項目の明確化▽重点内容項目に関わる具体的な指導の機会、時期の明確化▽道徳教育の全体計画などの作成|などを挙げ、「児童生徒自らが時と場に応じて望ましい行動が取れるような内面的資質を高める指導が大切」とアドバイスした。