石垣で随所に見られるニトベギクに万病に効く薬効があり、岩手の新渡戸基金(内川頴一郎理事長)が薬品開発を構想していることを以前に紹介したが、同構想実現に大変意欲的なのが西表住吉出身で琉大農学部の川満芳信教授▼昨年暮れ東京で内川理事長から説明を受け、その後このキクが県内どこにでもあることを知った同教授。「八重山で本格的に栽培すれば、ヒマワリ畑のような景観は観光資源になるし、これをそのあと収穫して生薬や薬品にすればキビに続く新しい産業になりうる」と調査研究面から支援に積極的▼ただそのためには費用が必要であり、行政の後押しが必要。そこでさっそく先月25日、同僚の上野正実教授と石垣を訪れ、中山市長に将来の可能性を説明▼これに市長も強い関心を示していたようだが、ぜひ新たな産業創出に向け、一括交付金を活用するなど市の積極的なバックアップがほしい▼新渡戸基金では、稲造没後85周年となる4年後の18年までには、何とか薬品開発構想を具体化したい考え。栽培もそれほど難しいものでないだけに、ぐずぐずしていたら何事にも積極的な宮古に先を越されかねない▼20年間の種もみ交流がきっかけの同構想を具体化し、ニトベギクを種もみに続く新たな岩手|石垣の“かけ橋”にしたい。(上地義男)
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