元日に群馬県で行われた全日本実業団駅伝で、犬がコース上に飛び出して選手が転倒した。このことで警察は、飼い主を犬をつなぎ止める義務を定めた市の条例に違反した疑いで書類送検し、話題になった▼レースではないが、石垣市では放し飼いの犬が自転車やバイクを追いかけ、驚いて転倒するケースもある。筆者は、名蔵白水地区で十数頭の群れに襲われ、ものすごい恐怖を覚えたことがある▼かつて市内では、モラルの低い飼い方をする人がいた。犬は番犬、畜舎や畑で放し飼いにし、自宅で飼っていても鳴き声がうるさいからと言って、夜放すということもあった▼放された犬は群れではいかい、病気になったから、子どもが生まれたからといって、名蔵や崎枝地区などで捨てるケースも。捨てられた犬が野犬化し、子牛などを襲って死亡させたことも何度もあった▼ところが近年は、街中で、はいかい犬を見ることが少なくなった。家畜が襲われたという話も聞かない。人や家族のように深い愛情をもって犬に接する市民が増え、愛犬家が呼びかけて、譲渡会が定期的に行われるようになった▼やがて犬の発情期が来る。うるさいからと放してはならないし、愛犬家はまずしないだろう。現在は何か事故が起きた場合、飼い主の責任が問われるのである。(黒島安隆)
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