県が国内外の個人旅行層を対象にウェブ上で調査を行ったところ、八重山諸島がどのようなところか理解している割合は15%以下と低いものの、多様で個性あふれる島々の魅力を紹介した後の来訪意向が30%台から80%台に大きく上昇したことが分かった。一般社団法人八重山ビジターズビューロー(YVB)は「今後、理解度を高めるようなプロモーションを行うとともに、島々のストーリーをつくっていく必要がある」(事務局)としている。
ウェブ調査は、県観光振興課が2015年度の離島観光マーケティング戦略事業として昨年11月から12月にかけ、国内8エリアと台湾、香港、韓国、米国、豪州、英、仏、独の8地域・国を対象に実施。年に1回以上海外旅行に行き、一定レベルのホテルに宿泊する個人旅行層から3200サンプル(国内1600、海外1600)を回収、速報結果をまとめた。
それによると、八重山諸島を知っている人は53.5%、理解している人は13.8%、好意を持っている人は30.9%、来訪したいと思っている人は32.4%の割合となった。
その上で「多様な個性あふれる、秘境の島々」とのタイトルで▽400種類のサンゴの生息数を誇る広大なサンゴ礁海域▽亜熱帯の秘境を満喫できるアクティビティ▽時が立つのも忘れる満天の星空ショー▽マラソンなどのスポーツや伝統芸能体験を通した地域住民とのふれあい—を主な内容とする八重山諸島のコンセプトを提示すると、来訪意向が86.0%に高まった。
台湾では「星空ショー」、欧米では「美しい砂浜ビーチ」「広大なサンゴ礁海域」が高い評価を受けた。
旅行する際に重視する点を聞いたところ、台湾や香港では「おいしい食事(ローカルフード)が味わえる」が最も高く、欧米ではホスピタリティ(おもてなし)を重視する傾向が出た。
台湾からはクルーズ船で多くの観光客が来島しており、八重山ならではの食事をさらにPRしていくことが求められそうだ。
YVB事務局の濱田智佳子氏は「多様で個性あふれる島々が魅力になっている。だからこそ『八重山諸島』を売っていくことが重要になる。調査結果を今後の取り組みに生かしたい」と話している。