県が波照間島まで結ぶ
先島など離島地区の情報通信基盤整備に取り組んでいる県は4月から、沖縄本島ー多良間ー与那国ー波照間のルートで海底光ケーブルの敷設作業を開始し、10月までに完了させる予定だ。これにより先島地区の海底光ケーブルは既設を含め2ルートとなる。光ケーブルの伝送路がループ(環状)化されるため、自然災害で断線箇所が発生しても使えるようになる。
10月までに完了予定
県情報政策課によると、与那国島、波照間島にはすでに局舎と管路が整備されている。
超高速ブロードバンドを可能とする光ケーブルが与那国島に敷設されるのは初めて。県は2016年度の新規事業として一括交付金を活用し、陸揚げした光ケーブルを祖納、久部良、比川の3集落まで配線し、各家庭にすぐ引き込めるような環境を整備する予定だ。国72%、県、町それぞれ9%の割合で民間通信事業者に補助金を出す。
一方、竹富町の島々も既設の光ケーブルでつながっているが、集落内には配線されていないため、光ケーブルより通信速度の遅いADSL(非対称デジタル加入者線)環境のまま。光通信網の集落内整備について県情報政策課は「17年度以降、段階的に整備していきたい」としている。
同町では、島々への定住促進を図ろうと、情報通信環境を活用して場所の制約を受けずに仕事ができるテレワークの就業環境の構築に取り組んでいるが、これには超高速ブロード環境の整備が不可欠となっている。
県の離島地区情報通信基盤整備推進事業は2013年度からスタート。粟国島、久米島など久米島ループを含めた総事業費は約89億円。
県は▽災害に強い情報通信基盤の構築▽民間事業者による安価な高度通信サービスの提供▽離島地区へのコールセンター進出の促進による経済・雇用効果▽離島振興や定住条件の整備ーの効果を期待している。