石垣市の新庁舎建設位置で中山義隆市長は10日、「旧空港跡地」に建設することを発表した。2016年度内に基本設計・実施設計を終え、17年度着工、18~19年度の開庁を目指す。同日午後、市庁議室で会見した中山市長は「住民投票の結果を尊重するとともに、新庁舎建設計画策定委員会の議論もしっかりと計画に反映させていきたい」と述べ、建設位置を盛り込んだ基本計画案を発表した。市では10~23日まで同計画案のパブリックコメントを実施。15~22日まで市内5カ所で地域説明会を開き、今月中に基本計画を策定する。
会見で中山市長は「一年半近い策定委の意見、議会を経ての住民投票で結果的に多くの議論を重ねた。投票率が40%を切ったが、旧空港跡地が圧倒的な支持を得ていたので市民の声は旧空港跡地が大多数だろうと判断した」と説明。庁舎移転に伴う課題への対応は、策定委の議論を十分に生かす考えを示した。
美崎町再開発に向けて「現庁舎の跡地利用については新年度、庁内で検討体制を立ち上げ、美崎町の再開発に向けた取り組みと連携しながら中心市街地の空洞化を招くことなく、継続的な発展を実現できる有効な方策を検討したい」と述べ、商業施設を含めて誘致し、施設の中に行政手続きを行える窓口を設置する方針を示した。
中心市街地の地震・津波対策には「現庁舎敷地やその周辺への被災リスクの対応として、液状化対策などのハード面や災害発生時の初動マニュアル、業務継続計画の策定、訓練の実施など地域防災力を高めるための取り組みをしっかりと進めていきたい」と述べた。
新庁舎の建設位置については港を中心としたまちづくりの推進を求める現地派と防災面や緊急防災・減災事業を活用できる高台派で意見が二分。新庁舎基本計画策定委員会(委員長・神谷大介琉球大学工学部准教授、委員19人)は「現在地」を答申したが、7日の住民投票では「旧空港跡地」が圧倒的多数を占めた。