石垣市の新庁舎建設位置を問う住民投票は7日、投開票が行われ、「旧空港跡地」は1万1895票、「現庁舎敷地」は2655票で4倍以上の票差がつく圧倒的な結果となった。当日有権者数は3万7848人、投票者数は1万4700人で投票率は39・05%だった。結果を受けて、中山義隆市長は同日夜、「旧空港跡地での建設が圧倒的な票数を取ったので、住民の意思はしっかり表れたと思う。新庁舎基本計画策定委員会の意見も勘案し、庁内の議論を重ねて決定したい」と述べ、2、3日中にも建設位置を決定する考えを示した。(8、9面に関連)
住民投票の結果を踏まえ、市は数日中にも庁議を開いて建設位置を含む新庁舎基本計画の原案を策定し、地域説明会やパブリックコメントを実施。3月定例会に上程する新年度予算案に基本設計費などを盛り込む。
投票率は40%に届かなかったものの、4倍以上の大差の結果は新庁舎の建設位置を決める大きな判断材料となりそうだ。
結果を受けて中山市長は報道陣の取材に「石垣の場合は明和の大津波を経験しており、東日本大震災も含めて防災や津波被害に対する意識と緊急防災・減災事業を使って建設費用を安く(抑えられる)と考える人が多かったのかと思う」と答えた。
投票率については「40%に届かなかったのは少し残念だ。通常の選挙と違って(候補者や運動員がいなかったこともあり)盛り上がりに欠けた感もある。庁舎の建設位置を決める大変重要な投票だったので、50%以上の高い関心の中で住民投票を実施したかった」と述べた。
新庁舎の建設位置については港を中心としたまちづくりの推進を求める現地派と防災面や緊急防災・減災事業を活用できる高台派で意見が二分。新庁舎基本計画策定委員会(委員長・神谷大介琉球大学工学部准教授、委員19人)では「現在地」を答申したが、答申前に市議会が「策定委の議論に民意が反映されていない」として住民投票の実施を決めた。