葬祭場の駐車場は先着順に誘導され鍵をつけたままの縦列駐車が基本。後続の車も整理してくれる。先日も進入後、係員に「すぐ出られるように向きを直してね」と声をかけて斎場へ。戻ったら前に車が止まっていた▼「こちらもすぐ戻られます」と係員。ベンチで待つことに。前の車の主が戻りエンジンをかけようとしたがかからない。係員に代わったがかからない。そのうち車から出てきた主が上下のポケットをまさぐりだした。何かを捜しているようだ▼突然思い出したのか、近くにいた知人に「どうも鍵を家に忘れてきたようだ。取りに戻りたいので家まで乗せてくれないか」と▼これには周りの人々があぜん。「鍵がなくてどうして斎場まで来たのかね」「見たとこ普通だが、ぼけが始まったのかな、タクシーで来て、自分の車に似た車を見て勘違いなさったのでは」と臆測が飛ぶ▼こちらも焦った。前の車が動かない限り私の車も動けない。待つこと十数分、主が戻りエンジンをかけると何事もなかったように走り去った▼係員の話では前の車はリモコンキーでエンジンはボタンでかけるという。主は家でエンジンをかけたものの寒いので防寒着を取りに戻ったがその際に鍵を玄関に置き忘れたとのこと。島は車社会、トラブル防止にも広い駐車場は必需。(仲間清隆)
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