【鳩間・西表】竹富町(川満栄長町長)の2013年度町政懇談会は30日、鳩間地区と上原地区で開かれた。両地区では住民の医療福祉分野に関する質疑や幼児教育の充実を求める意見が相次いだ。中でも、鳩間では西表島で診察を受ける際、定期航路で日帰りできないため、住民は受診時の船賃補助対象外となる石垣島の医療機関で受診していることが分かった。
町では医療機関のない鳩間、船浮、新城地区住民を対象に、西表島の診療所で受診する際の船賃補助を本年度から実施しており、町健康づくり課の與那覇忠課長は「他地区との関連もあるため、すぐには答えられないが、検討させてほしい」と述べた。
鳩間小中学校の存続について、通事建次公民館長は里親の有資格者確保が難しい状況を伝え、児童とその保護者を受け入れる施設整備を要望。川満町長は「初めてのケースで県外の事例を検証させてほしい」と述べた。
同地区ではこのほか、上原保育所に園児を通わせる際の船賃助成や幼児教育の充実を求める声もあった。
上原地区では中野わいわいホールの増築、上原港への現金自動預払機(ATM)の設置をはじめ、道路や港湾、下水道、防犯灯整備の要請が相次いだ。
また、保育時間の延長やPM2.5(粒子状物質)計測所の設置を求める意見もあった。
わいわいホール増築について川満町長は「必要性を感じており、一括交付金を使えるかどうか協議している」と理解を求めた。ATM設置についても「ゆうちょ銀行に設置を依頼したが難しいため、JAや民間銀行に設置してもらえるように町もお願いしていきたい」と述べた。
住民からは町税など各種支払いをインターネットを通じてクレジットカードで支払えるシステム形成を求める意見があり、根原健税務課長は「15年度に実現できるよう調整していきたい」と答えた。