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市長選、4年前の対決再び

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■攻守所を変えて再戦へ 

 全国から注目された沖縄の今年初の市長選である名護市長選は19日、現職が大勝し、地元市民は日米両政府が押し付ける米軍普天間飛行場の辺野古移設に明確に「ノー」と沖縄の誇りを示した。名護市に続き3月には任期満了に伴う石垣市長選挙が行われる。

 八重山は同市長選に続き9月には石垣市、竹富町、与那国町3市町議会の議員選挙、さらに11月には知事選挙があり、郡民にとって今年は八重山の未来を決める大きな選択の年だ。政治家の皆さんにはわかりやすい明瞭な政策を提示してもらい、私たち有権者も各候補者の政策にしっかりと耳を傾け、誤りのない選択をしたい。

 まず3月2日に投開票が行われる石垣市長選は、昨年暮れに保守与党側から現職の中山義隆氏(46)、革新野党側から前職の大浜長照氏(66)がそれぞれ出馬を表明。今回は4年前の前回と同じ顔合わせで攻守所を変え、現職の中山氏に前職の大浜氏が挑む一騎打ちの構図がほぼ決まった。

 

■争点は中山市政の評価

 しかし従来なら今ごろ活発な選挙戦も今回は両陣営とも動きが鈍い。候補者決定が両陣営とも大幅に遅れ、来月23日の告示まであと1カ月に迫った今なお政策発表もなく、選挙態勢づくりがずれ込んでいることが原因だ。

 ただ事務所開きは双方とも年明け早々に済ませており、政策発表と同時に選挙戦は一気に加速する。

 前回の選挙は5期目を目指した大浜氏の長期政権と多選の弊害が争点となり、世代交代による市政刷新を訴えた新人の中山氏が、約5千票の大差で20年ぶりに保守市政奪還を果たした。

 今回の選挙は、それから4年間の中山市政の評価が最大の争点となる。

 石垣市の経済回復につながった開港プロモーションなど数々の新空港関連活動をはじめ、危険家屋である消防署の仮庁舎への移転、給食センター・食肉センターの新築、新火葬場の来年度以降の着工、建設業界が大きく期待する総額770億円に上る国営土地改良事業着手や預かり保育の全園実施、給食費の一部無料化など中山市政は、ハード・ソフト面で数多くの実績を残した。これを有権者がどう評価するか。

 

■「右傾化」の是非も争点

 さらに中山市政誕生で急速に台頭した「右傾化」を有権者がどう評価するかも今回の争点のひとつだ。

 革新側には「自衛隊配備は与那国の次は恐らく石垣だろう」と安倍政権下でさらに加速する右傾化に危機感は強く、これが難航する人選の中で大浜氏再登板の大きな要因となった。今回の選挙はこうした右傾化の流れを是認するか歯止めをかけるかも問われる。

 前回公明党の支持と、さらに若者層の掘り起こしで大勝した中山氏。以後保守陣営は石垣市で各種選挙に連勝して勢いづいている。これに対し大浜氏は、今回保守の一部を陣営に取り込んで雪辱を期す。カギはこれら保守層や若者層をどれほど取り込めるかだ。

 両陣営には、悲願の新空港開港で回復した経済をさらにどう発展させるかの経済振興策や産業振興策など、明確な対立軸とマニフェストを求めたい。


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