機種入れ替えのため昨年11月からMRI(磁気共鳴画像装置)による診断を休止していた県立八重山病院(依光たみ枝院長)は、県内で初めてフルデジタルの信号経路を持つ最新鋭のMRI装置を導入。14日から診断を再開した。導入された新機種は信号やノイズなどが改善され、画像が鮮明になったほか、造影剤を使用せずに撮影することが可能。また、撮影時間も旧機種の半分に短縮され、患者負担も軽減される。依光院長は「質の高い医療が提供できるようになる」としている。
旧MRIは2002年3月に導入されたが、老朽化が進み、ここ数年は故障が続いていた。このため、県の地域医療再生基金を活用して最新機種を導入した。
これまでの機種では、アナログ信号を離れた場所に送信してデジタル信号に変換していたが、新機種では直接デジタルに変換するため、信号ロスがない。また、動きを補正するソフトで呼吸による横隔膜の動きもとらえることができ、きれいな画像をつくることができるようになった。
糖尿病などで腎機能が低下している人は、画像を鮮明に写し出す造影剤を使用した際に腎臓に障がいが出る場合もあったが、新機種では造影剤を使用せずに撮影することが可能となる。
機能の向上で撮影時間も10~15分と、従来の半分に短縮される。依光院長は「これまでの機種は画像も悪く、患者の負担も大きかったが、新機種の導入で地域住民に質の高い医療を提供できるようになる」と話した。