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LCCとの共存が肝要

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■八重山観光は2位

 昨年3月、「南ぬ島石垣空港」開港以来前年比32%増と好調を持続している八重山観光だが、年末年始も良い日並びと好天に恵まれ、多くの観光客が訪れた。「地球の歩き方」など旅行雑誌アンケートで昨年の国内観光地人気ランキングは1位出雲大社、2位石垣島を中心とした沖縄離島、3位伊勢神宮、4位富士山となった。

 八重山観光入域者数は昨年、93万人前後に達したもようで、観光消費額も580億円と推計され、過去最高の実績となり八重山の経済をけん引している。

 都道府県別人気ランキングでも沖縄県は北海道、京都府と常にトップ3の地位を占めているが、八重山は新石垣空港開港により直行便や格安航空運賃が実現し、潜在していた旅行需要が表面化したものと分析することができる。

 

■オフシーズンの底上げ

 関係者の多くは、本年は8%増の100万人を目指すと意気込んでいるが、目標達成には多くの課題がある。

 月別実績をみると7月から9月の夏季シーズンは10万人以上の入り込みでトップシーズンとなり、4月と10月は8万人台のオンシーズン、それ以外の11月から3月の秋・冬、5月から6月の梅雨期は5万人台のオフシーズンとなっていて冬季と梅雨期が弱いことが分かる。オンとオフでは2倍以上の変動があり、オフシーズンの底上げを図ることが求められている。

 宿泊施設は350軒余、1万5000人の受け入れ能力があり、年間でみると100万人が3泊しても54%の稼働率であり、既存施設の営業再開、ニーズに対応した設備の改善、改良で100万人に対応できる状態である。

 

■直行便路線の拡大

 八重山観光躍進の原動力は何と言ってもスカイマーク社などの新規参入で格安運賃が実現したことが大きな要因だが、JALやANAなど大手2社に比べて不安定で厳しい経営である。

 国内にLCC3社が参入したことにより価格競争が激化、平成26年3月期の決算予想で売り上げは455億円で前年比2%減、経常利益は33億円で38%減、純利益も17億円で42%減となっている。LCCの内、ピーチ社は比較的健闘しているもののジェットスター社は大幅赤字、エアーアジア社は撤退を余儀なくされた。 

 スカイマーク社の石垣路線は搭乗率50%前後で、客数が伸びないと減便や撤退の可能性も否定できず、高運賃に逆戻りする可能性があり、100万人はおぼつかない。低価格航空運賃の恩恵を受けている地元として、各社が共存できるよう地域挙げての協力や支援体制を構築することが肝要だ。直行便路線の拡大、充実を図ることも急務だ。 

 平成23年度の実績で石垣空港は154万人の乗降客で国内18位だが、本年度は200万人以上と推計される。石垣空港の上位空港で直行便未就航地の新千歳、大阪伊丹、広島、松山、小松、仙台空港などを重点拠点に絞って誘致活動を展開する必要がある。幹線である羽田便の中型機による増便、中部や関西便の中型化、福岡便の通年運航要請活動なども当然必要だろう。


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