【糸満】戦後70年を迎えた「慰霊の日」の23日、糸満市摩文仁の平和記念公園では、午前11時50分から「沖縄全戦没者追悼式」(主催・県、県議会)が執り行われた。強い日差しが照りつける中、県内外から5400人(主催者発表)が参列。正午の時報に合わせて黙とうをささげ、沖縄戦で犠牲となった24万人余のみ霊を慰め、世界の恒久平和を誓った。本島各地の慰霊の塔でも追悼行事などが行われ、沖縄は全戦没者の哀悼の祈りに包まれた。
追悼式で翁長雄志知事は、昨年12月の就任後初となる平和宣言の中で「未来を担う子や孫のために、誇りある豊かさを創り上げ、いつまでも子どもたちの笑顔が絶えない豊かな沖縄を目指す」と強調。「沖縄が恒久平和の発信地として輝かしい未来の構築に向けて全力で取り組む」と決意を表明した。
安倍晋三首相は来賓あいさつで「私たちは(沖縄戦の)不幸な歴史を深く心に刻み、常に思いを致す。そうあり続けなければならない」と語り、米軍基地については「負担軽減に全力を尽くす」と述べるにとどめた。
式典では県議会の喜納昌春議長の式辞、県遺族連合会の照屋苗子会長の追悼のことばに続き、与勝高校3年の知念捷(まさる)君が平和の詩「みるく世がやゆら」を朗読した。
大島理森衆院議長と山崎正昭参院議長もあいさつ。また、岸田文雄外相、塩崎恭久厚労相、中谷元・防衛相、山口俊一沖縄担当相の4閣僚も出席したほか、キャロライン・ケネディ駐日大使は昨年に続き参列した。