【鳩間】竹富町立鳩間小中学校(石垣幸子校長、児童5・生徒5人)で来年度から、小学校の在籍児童数がゼロになる可能性が浮上している。児童の卒業、進学と、同校に児童を通わせている職員の異動が重なり、現状のまま4月に入ると小学校の児童数ゼロ、中学校の生徒3人になる。このまま小学校への入学、転入児童がなければ中学校に在籍する生徒の卒業時には廃校の危機が迫る。このため、地元公民館や郷友会では4月から小学校に通える児童を緊急募集している。
町教育委員会によると、4月から児童の卒業・本土への進学が予定されているほか、教職員の人事異動も見込まれている。児童数がゼロ、生徒数が3人になると、職員数も現在の13人から6人へと減り、転入生を迎えなければ生徒3人の卒業時には廃校の危機が迫る。同校では2009年6月に児童生徒がゼロとなり、廃校の危機に陥ったが同9月には転入生を迎え、危機を脱した。これまでにも児童生徒数の減少で休校した経緯があるため、同島では受け親(里親)制度を実施して島外の子どもを受け入れ、学校を存続させてきた。町教育委員会では「小人数制の指導や充実した体験活動など全国に島の教育の魅力をアピールし、推移を見守りながら転入生が来てくれることを望んでいる」(浦崎喬教育課長)という。
鳩間公民館では、小学生を持つ親子の移住を全国各地から受け入れたい考えで、通事建次館長は「住居と親御さんの仕事は島内であっせんできる。これまでにもさまざまな理由で地元の学校になじめなかった子どもたちが島の小学校を卒業しており、受け親制度もあるのでぜひ、連絡を」と呼びかけている。
石垣校長は「受け親制度という形で地域の家庭から学校に通っている子どももいる。郷友会関係者の孫や子どもに通ってもらうことができないか、あの手この手で探しているが、具体的な進展がなく心配している」と懸念。
児童生徒数の減に伴い教職員数も現在の13人から6人に削減されるため、鳩間郷友会の大城正明会長も「黙って見ているわけにもいかず、何とかできないか郷友会でも話をしている。鳩間島の仕事や住宅の情報を提供して鳩間島ファンの人たちにも呼びかけたい」と話し、12日の定期総会でも呼びかけていくという。