沖縄地方が11日、梅雨明けした。平年より12日、昨年より15日早い。八重山地方は5日からリュウキュウクマゼミが鳴きだし、19日にはハーリー鐘が鳴り、いよいよジリジリと暑い夏に突入する▼石垣島地方気象台によると石垣島地方の梅雨期間(5月20日~6月10日)中の降水量は176.5㍉と、平年より15.1㍉少ない。しかも、その内の90%が、梅雨入り直後の6日間で記録。残りの16日間の降水量は1日の17㍉だけと、降雨が偏り、「水不足解消」には程遠い▼真栄里ダム管理事務所によると、ダムの貯水率は11日正午時点で61.1%。昨年が5月末時点で満水だっただけに、夏場に向け水不足への不安が残る率だ▼一方、農業用ダムの底原ダムの貯水率は同日午前10時30分時点で52.6%。昨年11月末の37%からは回復したが、今後の降水量によっては農業用水の使用に影響が出る可能性も▼例年、梅雨明け後の降雨は「台風」がもたらすまとまった雨に頼るところが大きい。だが、台風は大量の雨をもたらす半面、農作物や住民生活に大きな影響を及ぼすもろ刃の剣だ▼石垣島地方は、これから9月にかけ観光客の増加とともに、水の需要が大幅に増す。台風が来ずとも、厳しいと予想される夏場の水事情を乗り切れるよう、普段からの節水が大切だ。(下野宏一)
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