西表製糖に搬入するサトウキビの刈り取りを25日までとしている西表島さとうきび生産組合(山城富正組合長)が同日までにすべての刈り取りを終えるのは難しいとして、残ったサトウキビの買い取りを求めている件で、川満栄長町長は9日午後、要請に訪れた山城組合長らに、近く支援策を打ち出す考えを明らかにした。
町農林水産課によると現在、具体的な支援策を詰めており、週末にも組合側に伝えるとしている。
西表製糖は3月19日、町発注の工場の完成が遅れたため、当初予定から約2カ月半ずれ込んで操業を開始。これに伴い、操業終了日が大幅に延びた。
同組合によると、5月以降、熱中症の発症など健康を害する事例が多発、来期の植え付け準備もあることから、組合員からは早めの刈り取り終了を希望する声が上がっていたが、工場の産糖量を考慮し、町や西表製糖も交えた3日の緊急会議で、工場に搬入するサトウキビを25日の刈り取り分までと決めた。
山城組合長は要請で「農家としても刈り取りたい気持ちはあるが、このままだと危険。来期の準備もあるので早く終わらせたい」と訴えた。
川満町長は「生産農家が真心を込めてつくったサトウキビなので、断腸の思いで(搬入期限の)線引きをしたと思う。(買い取りという)補償はできないが、線引きを尊重し、要請に沿った支援策を詰めたい」と応えた。
工場によると、今期サトウキビは予想収量が当初の8000㌧から9000㌧に増えており、9日午前の段階で7000㌧が搬入された。あと2000㌧が収穫されていない。
工場側は当初計画の8300~8500㌧の搬入を希望しており、要請に同席した同製糖の赤嶺穣総務部長は「販売先に迷惑をかけたくない。農家は大変だと思うが、搬入をお願いしたい」と要望した。