【黒島】黒島農業青年クラブ(仲嵩秀文会長、18人)は、牧草の栽培管理技術を競う第1回黒島牧草コンテストを今月から12月にかけて開催することになった。畜産農家が栽培した牧草の出来を成分の分析結果で評価する県内初の試み。黒島の草地はサンゴ石灰の土質で条件が悪いため、どういう方法で栽培すれば良質な牧草を確保できるか、コンテストでデータを積み重ねながら島に合った牧草の栽培管理技術の確立につなげていく考え。
黒島は畜産の盛んな島として有名だが、土壌は水分や肥料を保つ能力に乏しく、基盤整備された草地でも経年劣化で収量・品質が低下。容易に草地の更新もできないため、現在の条件下で栽培管理技術と粗飼料自給率の向上を目指そうとコンテストを企画した。
同クラブの役員と県、町の畜産担当者が5日、黒島家畜セリ市場会議室で実行委員会(委員長・仲嵩会長、8人)を開き、開催要領や日程を確認した。今後、地元の委員を増やし、組織体制を強化する。
コンテストは▽サイレージ(発酵させた牧草)▽乾草―の2部門で、暖地型牧草「ギニアグラス」を生産する畜産農家が対象。収穫日・施肥日など栽培管理履歴を確認するほか、希望者には土壌分析も行う。
6月下旬から土壌のサンプル調査に入り、7月20日までに牧草の出品申し込みを受け付ける。8―9月にエサとして使用する牧草のサンプルの提出を受け、10―11月に成分を分析する。牧草に含まれる栄養価などを点数化して審査、12月に表彰式を行う。
仲嵩会長は「黒島の農業は畜産しかないので、コンテストは良い牧草づくりをするためのいい機会になる。良い草を食べれば牛の値段も上がると思う」と期待。
県八重山農林水産振興センター農業改良普及課の小山裕美子主任技師は「少しでも良い牧草をつくれるようテコ入れしたい。そうすれば飼料代の低コスト化も図られる」と話している。
町農林水産課によると、黒島の畜産農家は56戸、飼育頭数は2498頭。