年の初め、初夢の代わりに少し話題を大きくしてみよう▼現代社会を支えているのはまず「電力」であり、それを生み出すために人間は火力、水力、そして原子力発電などいろいろな工夫を重ねてきた。一方、自動車をはじめとして「交通手段」の発達が世界規模の人的交流を可能にし、その刺激によって人々は豊かな生活を満喫している。この八重山でも日々何十便という航空便が発着する▼ところで、これらの原動力は自然資源に大きく依存していて、石炭も石油も天然ガスも天然ウランも決して増えることはなく、使い続けていけばいずれ必ず枯渇する(原発の場合はその上途方もない危険が伴う)。これが現代社会が抱えている根本条件である▼ならばこの社会を変革して持続可能な社会に導くにはどうすれば良いのか。ここで人類の「知恵」「意志」「夢」が試されるのではないか。もっとも身近な例で言えば、この車社会は果たしてそのままでいいのかが問われるべきである▼思えば車社会は恐ろしい速度で到来した。われわれの少年時、時たまトラックが走り去ると、その排ガスのいい匂いにつられて追っかけていたほどだ。現状を野放しにすればどんな事態が起こるか分からない▼いずれにせよ、今こそ、さまざまなことを考えるべき時がきたのではないか。(八重洋一郎)
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