日本トランスオーシャン航空(JTA)が採算路線見直しを理由に与那国路線から撤退し、琉球エアーコミューター(RAC)の単独運航となってから8日で1年になる。機材の小型化による提供座席の減少などで、観光入域客(県八重山事務所調査)が、昨年の11月時点で前年を3510人(11・8%)下回っているほか、特産品のカジキが積込めない場合が出るなど、町経済に大きな影響がでている。
外間守吉与那国町長は「観光メニューや受け入れ態勢の充実などに力を入れても、入り口が狭くては観光客増は厳しい」と話し、JTAにジェット機就航の要請を続ける考えだ。
JTAの撤退に伴い、機体がジェット機(提供座席数150席)からRACの小型機(同39席)となったことで団体客を中心とした観光客が減少。11月時点の入域観光客数は2万6111と前年同月比で3510人(11・8%)減少している。
また、小型機では与那国特産品のカジキを一度に載せられるのは2匹が限度。荷物が多い場合は制限されることもあり、欠航や遅延で鮮度が落ちると商品にならないという。
与那国漁協によると、2013年のカジキの出荷量は541本(12年695本)。中島勝治組合長は「12月は水揚げも多く、忘年会シーズンで高値で取引されたが、欠航や満席で載せられない日が何度かあり、そのたびに10本以上の積み残しがあった。2〜4月にかけて漁の最盛期になるので、それまでになんとかしてもらいたい」と訴えた。
昨年10月の沖縄県議会一般質問で、謝花喜一郎企画部長が、RACの機材購入について計画があることを明らかにしており、外間町長は「団体客や修学旅行の誘致のためにも、せめて50人乗りの飛行機や天候に左右されないようジェット機をお願いしたい」と話す。
JTAの広報担当は「機材更新の時期に来ており、社内でもどのように取り組むか話し合っている状況」と述べた。