旧石垣空港跡地内の新県立八重山病院建設地の周辺で、県が不発弾の磁気探査を実施することになった。県防災危機管理課によると、建物の中心となる部分から半径300㍍余の範囲内で予定している。この範囲内で不発弾を処理すれば、範囲外で見付かっても新病院は避難の対象とならず、開院後の影響を回避することができるという。
旧空港跡地は、1943年6月に旧海軍飛行場として建設され、戦時中に爆撃を受けており、同跡地で行われている県道石垣空港線(新空港アクセス道路)の工事では今年1月に米国製250㌔爆弾1個、3月に米国製50㌔爆弾1個が見つかっている。
3月18日夜に行われた処理作業では、処理現場から半径288㍍が避難対象で、市消防本部のほか新病院の建設地も含まれていた。
跡地の開発・利用に伴って今後、不発弾が発見される可能性があることから、八重山市町会(会長・中山義隆石垣市長)や市議会は「病院建設後に周辺で不発弾が発見された場合、患者の移動や立ち入り制限を余儀なくされ、安全確保や医療体制の機能維持が保たれなくなる」として県に要請、翁長雄志知事も前向きな姿勢を示していた。
県防災危機管理課は27日、八重山毎日新聞の取材に「実施に向け調整している」と説明、中山義隆市長は「県の迅速な対応はありがたい」と話した。
同課によると、実施時期や実施部署は調整中。実施範囲は、空港跡地以外でも半径300㍍余に入っている箇所があり、私有地もあることから市側とも調整を進めている。
八重山の医療を守る郡民の会の宮平康弘会長は「敷地外でも磁気探査をやらないと、新病院ができた後も安心した治療ができない。問題はどこがやるか。病院事業局からお金を出すと、新病院の機能に影響する。不発弾処理は戦後処理の一環として処理し、病院会計に負担がないようにしてもらいたい」と要望する。