総額281億円の石垣島国営かんがい排水事業を本年度から本格的に実施する内閣府沖縄総合事務局(河合正保局長)は22日午後、石垣島農業水利事業所(八木康夫所長、12人)=浜崎町=の開所式を市内ホテルで行い、同事業による農業の発展に期待を寄せた。同局は4月10日に土地改良総合事務所石垣支所を事業所に格上げ、9000万円未満の契約業務を移管するなど、現地での執行体制を強化。本年度は総事業費7億5600万円の事業費を確保、工事5件のうち3件を事業所が発注する予定だ。
同事業は2025年度までにダム5カ所とせき3カ所、揚水機場6カ所、用水路55㌔を改修、用水路50㌔を新設するなどして、ダムを連結して農業用水の総合運用を図る。受益面積は北西部など新規684㌶を加えた4338㌶。
河合局長は開所式で「北西部にも送水が可能となり、石垣島全域に農業用水の安定的な供給ができ、石垣島の農業の発展に期待したい。事業の計画的な実施と早期実現を目指す」とあいさつ。
開所式には農業委員ら生産農家も出席。新規受益地区となる伊野田公民館の山城由久館長は「これまでは水がなかったので、干ばつの解消につながる。現在はサトウキビと畜産が主だが、将来的には作物の形態が変わる可能性がある。楽しみにしている」と話した。
式後には、石垣島国営土地改良事業推進協議会(会長・中山義隆石垣市長)が着工祝賀会を開き、中山市長は「農業の生産性の向上にまい進する」と決意を述べた。
開所式に先立ち、浜崎町の事務所で国、県、市の関係者が看板を掲示した。