石垣市が八重山漁業協同組合事務所隣接地で整備を進めている水産物加工処理施設は外観がほぼ完成。6月末までに内部施設の整備を終え、7月から供用が開始される見込みとなっている。モズク、ソデイカ、マグロなどを加工する県内初の複合型加工施設で、衛生管理の向上や石垣島近海で漁獲される水産物への高付加価値化が期待されている。
市水産課(平良守弘課長)によると、同施設は鉄筋コンクリート造り1階建て。延べ床面積は1400平方㍍。モズク、マグロ、ソデイカを中心に水産物を加工する。総事業費は4億5000万円。水産庁の2014年度産地水産業強化支援事業を活用し、国が3分の2を補助、残りの3分の1を県と市が半分ずつ負担している。
同施設では、モズク収穫の繁忙期となる5~6月には最大で1日当たり10㌧を処理。11月~2月に漁獲されるソデイカは1日400㌔、ビンナガマグロ200㌧の加工が可能。当初は3月末の完成が予定されていたが、鉄鋼資材の搬入遅れで工事がずれ込みモズクの繁忙期には間に合わなかった。
受益戸数はモズク養殖、マグロはえ縄、ソデイカ漁などを行う漁業者315戸415隻。施設付近の岸壁に接岸、2基整備されるホイストクレーンでモズク洗浄・選別ラインに搬入。12基の貯蔵タンクまで運ぶ作業を一貫して行うことができる。
平良課長は「石垣島のマグロをはじめ、近海で漁獲される水産物に付加価値をつけて販売できるような体制を整えるように取り組みたい。加工施設が新しくなることで衛生管理面の向上も図ることができる」と話した。