Quantcast
Channel: 八重山毎日新聞社
Viewing all articles
Browse latest Browse all 16824

作業員の人手不足深刻 公共民間工事好調の陰に

$
0
0

公共、民間工事の需要に対して地元作業員の労働力確保が急がれる=6日午前、市内真栄里の工事現場

 県立八重山病院の移転新築工事や、与那国島の陸上自衛隊沿岸監視部隊関連施設工事、国営石垣島土地改良事業や新空港アクセス道路、学校建て替えなど好調な公共工事に加え、民間の建設ラッシュに対し、郡内の建設業界は作業員の人手不足で受注したくてもできない悪循環に頭を悩ませている。業界は「公共、民間工事が増えて仕事が切れなくなったが、働く人がいない。このままでは企業の労働力が低下し、目の前にある仕事ができなくなる」と危機感を募らせる。

 国土交通省が4月27日に発表した建設労働需給調査によると、東日本大震災が発生した2011年ごろから被災地の復興支援などで建設と土木業の技術・一般職が集中。東京五輪に向けた都心部の再開発工事も拍車をかけ、人材需要が急速に増加している背景がある。

 県建設業協会八重山支部(黒嶋克史支部長)では「今年は公共・民間工事の発注が重なり、建築、土木業とも需要は旺盛。発注数は近年まれに見る多さ」と喜びながらも「工事に対応する労働力が不足している。賃金を上げても人がこない。このままでは5年後、10年後には企業が衰退する」と早急な人材確保に焦りを募らせる。

 同時に建築資材の高騰が重なり、島外資材に頼る郡内では、資材単価が本土の2倍近くに上昇、企業は材料と労務費高を抱えている。

 建設現場で働く建設作業員の屋嘉部直人さん(33)は「公共工事や民間工事の仕事が相次ぎ、仕事が途切れなくなった。だが、現場は人手が不足し大変。若い人が作業員になりたがらない。地元の人が地元の産業を支えてほしい」と訴える。

 黒嶋支部長は「技術職が減少し、鉄筋や型枠工作業員は絶対数が不足。このままでは共同企業体(JV)も組めなくなる」と、業界の先行きを不安視。「行政や工業系の学校、公共職業安定所と協力して労働人員の確保を急ぎたい」と話した。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 16824

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>