■日本の平和主義終えん内外に宣言
安倍首相は、日米防衛協力のガイドライン改定をうけ、日米首脳会談で集団的自衛権行使をオバマ大統領と約束した。これは国会でも審議されておらず、議会制民主主義を否定し、日本国憲法の持つ平和主義を破壊した。
戦後70年、日本は戦争する国への変貌を世界に宣言したといってよい。安倍首相は、戦後日本は戦争をせず、世界に平和貢献をしてきたと述べる。そうであろうか、日本は沖縄基地を隠れみのに、アメリカのアジア侵略戦争に加担してきたはずだ。それを平和貢献してきたなどと述べるに至っては詭弁(きべん)で歴史の歪曲(わいきょく)である。安倍首相は戦後70年の日米同盟を評価し、将来にわたって関係を強化すると語っている。沖縄にとって耐え難い発言だ。
■「沖縄の雇用」で共同宣言も
議会で多数を占め、やりたい放題の安倍政権下で「第86回メーデー」が行われる。八重山ではメーデー八重山地区大会実行委員会主催によるメーデーが、石垣市役所ピロティで行われる。
八重山地区大会では「賃上げで景気の底支え、休み方、働き方改革で長時間労働撲滅」をスローガンとし、月例賃金引き上げ、企業規模間、地域間の格差是正や非正規労働者の処遇改善、労働時間の短縮など、2015年度春季生活闘争方針をあげている。
さらに沖縄県、沖縄労働局、沖縄県経営者協会、連合沖縄の4者による「沖縄の雇用・労働環境の改善に向けた共同宣言」を宣言し、雇用、労働環境の改善に向けた強い決意をもって取り組む。経済の好循環実現に向けた労使一体となった取り組みとして、雇用・労働環境改善となる「人への投資」を行い、未来に希望が持てる社会実現こそ不可欠である。
そのことに逆行する労働者派遣法改悪法案、年金積立金運用配分の改悪に反対する。その他に、紛争やテロを許さず、平和の構築へ向けて力を尽くし行動していく−などを盛り込んだメーデー宣言を行う。
労働者が労働改善を主張するのは当然だ。しかし労使協調、経済優先主義だけでいいのであろうか。もちろん「平和構築」も盛り込んでいるがとってつけた感は否めない。
■軍事優先の島になる危険性高まる
沖縄、八重山を取り巻く政治環境は厳しさを増している。日米首脳会談、外務、国防担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)では、普天間飛行場の移設先は名護市の辺野古が「唯一の解決策」とし、尖閣諸島をめぐる中国脅威論を背景に離島防衛等共同対処を明記した。
離島防衛については共産党が石垣島にも自衛隊配備7候補地を発表した。陸上自衛隊は宮古島市に500人を配備する方針で、石垣島への配備を目指す。左藤章防衛副大臣が5月中旬石垣島での配備先調査に理解を求めるため来島するという。
軍事優先の島となる危険性を労働者として認識してほしい。また、自らの意思と関係なく戦争へ加担させられるのだ。特に今年のメーデーは、労働者としての自覚と島の平和を考える日でありたい。