地元の公民館や観光業者が主導して長期滞在型の観光メニューを創出することを目指す「川平村の観光を考える会」(仲野英則会長、会員18人)が29日、発足した。同会では今後、集落内の仲間森やウスコウス山、川平御嶽聖地などを調査し、川平ならではの景観や自然を生かした観光メニューを順次展開していく考え。
地域単位で観光客の受け入れ態勢を構築しようとする取り組みは島内で初めて。
同会では、観光客が新空港開港後に増加を続け、その8割程度が川平を訪れているとみているが、「川平湾が中心で客が増えても30分しか滞在しない」(仲野会長)と受け止めている。このため、独自に開発する観光商品を起爆剤にして経済活性化を図りたい考え。
同会は公民館役員や川平地域で民宿やマリンレジャーなどの観光業を営む14事業所の代表者らで構成。同会事務局では「地元公民館と観光従事者が連携することで、八重山観光への新たな呼び水をつくりたい」と意気込む。
本年度は川平地域の環境調査や観光資源の発掘を目的とした調査を実施。観光に関する専門の講師を招いた勉強会で人材育成にも取り組む方針。法人化や観光案内所の設置も模索していく。
同会は同日夜、川平公民館で初会合を開き、仲野会長は「新空港開港後、観光客の伸びは堅調。観光客が川平に長く滞在してもらうため、先人が残した自然景観を生かした着地型観光を目指す」と述べた。