旧石垣空港への急患搬送用ヘリポートの整備工事が11日に着工し、4月1日の供用開始が予定されていることが、石垣市消防本部(大工嘉広消防長)への取材で分かった。これは、次年度に計画されている市消防本部の旧石垣航空基地庁舎への移転を見越した整備。市消防では「離島住民のスムーズな急患輸送が実現でき、病院への搬送時間の短縮につながる」と期待している。工事の予定価格は約2300万円となっている。
旧空港のヘリポートは、急患輸送時に、市消防職員が簡易型のランプを設置して使用しているが、簡易照明は、夜間や悪天候時に風で飛ばされたり、視界が悪い雨天時は明かりが見えずらいという問題があった。
整備される新ヘリポートは、縦横27㍍四方と十分な広さがあり、誘導灯などの照明が常設化されることで、スムーズなヘリの離着陸が可能となり、運航の安定と安全性が確保される。
一方、移転計画が次年度にずれ込むことに市消防は「国や県の土地が入り交じっているので、移転手続きがスムーズに行えていないが、次年度には移転する」と説明した。
現庁舎は、手狭で出動時や訓練に支障をきたしている上、深夜の救急用のサイレン音にも配慮している状況で、早めの移転が求められている。
来年はヘリポートと庁舎移転が完了するが、市街地西側のエリアをどうカバーするのかが今後の課題だ。