「石垣市民防災の日」の24日午前、16カ所の津波一時避難ビルなど市内各地で防災訓練が行われ、避難場所へのルートや防災マニュアルなどを確認した。訓練は津波に対する備えを強化し、万一の時に迅速に避難できるようにすることが目的。26日午前10時からは、地域の自主防災組織や各字会、公民館、自治会を対象とした訓練が行われる。
(8面に関連)
津波一時避難ビルへの避難訓練には合わせて360人が参加した。このうち、美崎町のホテルピースアイランド石垣島では、市や竹富町の職員など合わせて150人以上が海抜27㍍に位置する8階フロアまで非常階段を使って避難。避難にかかった時間は平均で10分前後だった。
参加者の中には8階フロアに到達するころには「ハーハー、ゼーゼー」と肩で息を切らす人の姿も。40代の男性は「迅速な避難は大切だが、それを実現するためには日ごろからの体力づくりも必要かもしれない」と話していた。
中山義隆市長は「津波が起こったときはまずは避難すること。市民の安全と自分の身の安全を守れるよう、日ごろから心掛けてほしい」、川満栄長町長は「自然の脅威の前で人間は無力だが、訓練の積み重ねが命を守ることにつながる」とそれぞれ話した。
津波避難ビルは、津波による浸水が予想される地域で、耐震基準を満たした5階以上の建物の中から、日ごろから階上に行くことが可能な施設の所有者と石垣市が協定を締結し指定している。