島の人たちが独自に憲章も制定し、「うつぐみ」の心で外部の観光開発から懸命に守ってきた全国有数の観光地竹富島が、2007年12月に星野リゾートの開発計画が明らかにされて以降、まるで「パンドラの箱」が開いたかのように次々問題が発生し、止まらない▼翌08年には、水牛車観光の営業所移転建設をめぐり反対運動が表面化。さらにその後水牛車絡みの重傷事故が相次ぎ、地元観光業者の無届け建築や大型の46人乗りバス導入問題など、島の団結心の「うつぐみ」にもほころびが出る災いや問題が続発▼本土資本の星野リゾートは土地を守り、無秩序な開発を防ぐためにと島の有力者が誘致。「竹富島憲章に反するのではないか」と賛否が激しく対立したが、住民の多数が賛成し島で初のリゾートは12年6月開業した▼さらに延べ7年間も対立した水牛車の営業所移転問題も昨年7月、移転でようやく合意に達した▼これで一連の騒動もようやく収束するかと思ったら同年11月、那覇の不動産業者がホテル建設を発表。島は再びリゾート開発で揺れている▼公民館は二度も反対決議して町や県にも要請し阻止の構えだが、業者にすれば星野リゾートは認めてなぜという思いだろう。憲法9条同様竹富島憲章も形骸化するのか、島は踏ん張りどころだ。(上地義男)
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