石垣市消防本部(大工嘉広消防長)から防災資機材の貸与を受けている自主防災組織では、定期的に資機材の動作確認などを実施するケースがある一方、貸与を受けた後、一度も操作していないケースもあり、取り組みにバラつきがあることが分かった。同本部では「いつでも使用できるよう自主的に点検してほしい」と呼びかけている。(石川勇作、砂川孫優、渡嘉敷信晃記者)
市内に36ある自主防災組織のうち、八重山毎日新聞社は23日までに23組織に取材。このうち資機材を点検したり、使用したりしたことがあると答えたのは15団体。内訳は防災訓練時に使用したケースが11団体、定期的に点検しているケースが2団体などだった。
資機材のうち、定期的に動作確認が必要なのはチェーンソーや発電機、小型ポンプ。昨年4月の市民防災訓練では石垣地区自主防災会が、発電機とチェーンソーを使おうとしたところ、エンジンがかからず時間を要した事例もある。
定期的に点検を行っている組織の一つ、大浜地区自主防災会は公民館役員が中心となって防災組織を構成。年1回の役員改選に合わせて新旧役員が防災資機材の点検確認を行っている。
同地区の防災委員は「防災訓練でも使用しているので、年に2回は動かしている」と話した。
一方、1年前に貸与された防災組織からは「引き渡し時に操作説明を受けただけ。後はそのまま」という声も聞かれた。
市消防では伊原間、川平の両出張所の管轄地域にある17の防災会の資機材については、月に一度出張所職員が点検。その地区のほとんどの防災会が「資機材の点検は消防に任せている」と答えた。
市消防の担当者は「本当は自主的にやってほしい。いざという時に操作できず動かせないことがないよう、たくさんの人が点検してほしい」と訴える。
北部地区の防災会の中には、台風で倒れた木を片付けるのに貸与資機材のチェーンソーを使おうとして「事前に電話で消防に(使用していいか)確認した」というケースもあり、資機材の使い方に戸惑いを覚えている組織もあるようだ。
市消防では「防災会としての活動であれば、資機材はいろんな面で活用してほしい。機材が故障した場合は基本的に原状回復が義務」としている。