歴代政権の中で安倍内閣ほどに戦争のきな臭さを強く漂わせた政権は恐らくないだろう。「このまま安倍政権が続くとどうなるか。早く交代してほしい」と願っている高齢者は多いだろう▼しかし安倍政権の勢いは、先日の統一地方選も制し、いよいよ止まらない。5月には昨年7月に閣議決定した集団的自衛権行使の安保法制が閣議決定され、国会審議が本格化する▼しかし「自民一強」の国会ではそのまま可決成立の公算が大だ。頼みの公明党も「平和の党」の看板が泣くほどに政権与党の座にしがみつき、歯止めは望みがたい▼さらに自民党内も「みんな首相のポチになって」(古賀誠元幹事長)抵抗勢力もなく、自浄作用が働かないからなお怖い▼その結果日本は、戦後70年間守ってきた世界に誇る平和ブランドを捨て、事実上いつでも、どこでも、どんな戦争にでも自衛隊を派遣し、米国など有志連合の攻撃などを支援できる「戦争する国」に大変身する▼これを当の自衛隊員や家族らはどう考えているだろうか。これまで自衛隊は専守防衛の憲法9条の下、災害救助で大いに評価され感謝されてきた。それがこれからは同じ人間同士が殺し合う軍隊になる。高齢者の多くは今、子や孫たちの未来を思い、安倍政権の行く末に強い不安と恐れを感じている。(上地義男)
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