産まれて間もなく、母犬から満足な世話を受けられず、石垣市名蔵で農業を営む夫婦に引き取られていた子犬が逃げ出し、14日朝、みね屋工房から名蔵大橋にかけての県道石垣港伊原間線路上で保護された後、16日夕、およそ3日ぶり飼い主の元に返されるという出来事があった。
子犬を保護した栽丈夫(54)・晃代さん(46)夫妻=石垣市新川=によると、飼い主の夫婦は栽さん宅に引き取りに訪れ、子犬を見た瞬間、顔をくしゃくしゃにして喜んでいた。妻は涙を流しながら、子犬に向かって「(裁さん夫婦が)命の恩人だよ」と語り掛けていたという。
この子犬については八重山警察署が16日、報道機関に広報を依頼。飼い主の夫婦はラジオでこの情報を耳にし、同署に問い合わせて裁さん宅を訪れた。
晃代さんは「(飼い主夫婦は)愛情を込めて育てていたんだろう。子犬は奥さんの胸に飛び込んで離れなかった」と話していた。丈夫さんは「飼い主が現れなければ、自分で飼おうと考えていた」と語り、飼い主が見つかったことを喜んでいた。