石垣市野呂水の県道石垣港伊原間線の蛇行した道路線形と急勾配を改善する道路改良工事がこのほど完了し、30日から供用が始まった。一部の用地取得が難航し、2004年度の着工から10年をへて開通した。市街地と名蔵や川平など観光地の拠点を結ぶ重要な幹線が改良され、観光振興や地域活性化につながる-と期待されている。
野呂水地区の同県道は線形が不良で急勾配区間が長いうえ、歩道もなかったため、県が車両と歩行者の安全で快適な通行を確保できないとして改良事業を進めてきた。
県八重山土木事務所(添石清包所長)によると、改良部分の道路は延長2.5㌔。歩道を含む幅員は11㍍で路肩も整備された。旧県道の幅員6.4~7.5㍍より広くなった。総事業費は12億5000万円。
名蔵側の旧県道には「フサキビーチ」や「唐人墓・観音堂」を示す道路案内標識がそのままあるため、同事務所では改良道路への移設作業を進めるとともに、旧県道を補修して道路の安全性を高めた上で市に移管する予定だ。
同日午前には開通式があり、同事務所や石垣市など関係者が出席、供用開始を祝った。
添石所長は「石垣港から名蔵、川平を経て伊原間を結ぶ重要な幹線道路が改良されたことで、産業・観光振興に寄与するものと期待している」とあいさつ。中山義隆市長と黒島健新川公民館長が祝辞を述べた。
続いて、関係者がテープカットを行った後、同公民館役員らが市指定無形民俗文化財「南風ぬ島カンター棒」を披露して道路の安全を祈願、八重山署のパトカーを先頭に関係車両が渡り初めを行った。