画家の新城剛(しんじょう・ごう)(本名・あらしろ・つよし)さんが44歳で急逝して今年で25回忌を迎える。その画業を再評価しようと、命日の7月2日から5日までの4日間、石垣市民会館中、展示ホールで絵画展(同実行委員会主催)が開かれることになった。
新城さんは1947年、石垣市登野城出身。琉球大学美術工芸科を卒業し、第10回沖縄県芸術祭美術展で奨励賞(81年)、スペイン美術賞展で優秀賞(83年)などを受賞した他、第41回沖展出品作「夜籠」(89年)で2度目の沖展準会員賞に輝き、審査員も務めた。県内の中堅画家として将来を嘱望されていたが、91年に海難事故で急逝し、早すぎる死を惜しまれた。
同展では、初期の「新緑」「みどりの街」など緑色を主にした有彩色の作品や、八重山の風土や祭祀(さいし)をモチーフにした「アカマタ」シリーズなど50点前後の作品を展示。パンフレットも作製し、同展で無料配布する。
また、同展に先立ち、4月27日午後6時半から、大浜信泉記念館でシンポジウムも開く。画家の大浜英治さんと宮良長明さん、同実行委員会の石垣博孝委員長、新城さんの長女、高良音絵さんがパネリスト、大田静男さんがコーディネーターを務める。同展、シンポジウムとも入場無料。
27日の会見で知子夫人(68)は「新城剛の生きてきた証をどうすれば伝えられるか、娘と一緒に昨年から準備を進めてきた」と述べ、「新城剛という人物を思い起こし、一人でも多くの青少年が心を揺さぶられるような機会になれば」と期待した。
石垣委員長は「八重山の美術関係者やほかの文化活動の刺激になれば幸い」と述べた。
実行委では200万円を目標に寄付金を募っている他、新城さんの作品を所蔵している人の情報提供を呼びかけている。問い合わせは実行委事務局の砂川さん(090—7447—0607)、高良さん(83—4588)。