子どもが赤ちゃんのときに大好きで、読むたびに何度も飽きずに笑ってくれた絵本が「いないいないばあ」だった。訃報が伝えられた児童文学作家の松谷みよ子さんの作品に親しんだ人は多いと思う▼両手で顔を隠した動物たちが登場し、ページをめくると笑った顔が現れるユニークな絵本、作者はどんな人だろうと思い巡らしたのを覚えている▼自身の育児体験を基に生まれてから3歳になるまでの女の子の成長を描いた「ちいさいモモちゃん」、「龍の子太郎」や「かさじぞう」など民話も思い出深い▼新生児からの絵本の読み聞かせは、とても有効な子育て方法だといわれる。親が教えなければならないことを本の主人公が教えてくれる。心を育てるだけでなく、目で見ることで色や形なども自然と覚えてくれる▼石垣市立図書館と竹富町でも1歳半の赤ちゃんに初めての絵本をプレゼントするブックスタート事業を行っており母親たちに好評だという。ぜひ継続してほしいし、読み聞かせをたくさん体験した子と、そうでない子とでは成長して語彙(ごい)力に差が現れるという話を聞く▼どんな絵本を選んだらいいのと悩む母親も多いようだが、手元に置きたい好きな絵本は購入し、あとは児童書が充実している図書館で職員のアドバイスを受けながら活用するのがおすすめ。(辻本順子)
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