死者・行方不明者が1万8000人を超えた東日本大震災から11日で4年を迎えた。全国各地で追悼式が行われ、地震が発生した午後2時46分に黙とうをささげ、犠牲者の鎮魂と被災地の再生を祈った▼石垣市でも行政や民間団体が共催の追悼・復興祈念式で、市民や幼稚園児など約400人が復興への願いを込め、風船を放った。多くの郡民が思いを一つに静かに目を閉じたことだろう▼報道などによると、被災地では街の再生に向けた工事が始まり、復興への歩みを始めている。だが、依然、多くの被災者が仮設住宅で暮らす現状があり、復興はまだ先のようだ▼そんな中、石垣市への避難者を受け入れ、物心両面から支援を続けてきた市民ボランティア団体の東日本大震災、福島原発事故被災者・避難者支援ネットワーク「ちむぐくる」が、その役目を終え、7月に解散する▼約4年間の受け入れ数は母子78世帯200人。宿泊先や生活物資の確保、生活面のケアなど、その献身的な支援には頭が下がる▼避難者の大半が地元に戻ったことを一区切りに解散を決めたようだが、同団体の浦内克雄代表は「解散は次の世代にバトンを渡すということ。市民一人一人が震災を忘れず、風化させないことが重要」と話す。被災地の一角を見た者としてその言葉を胸に刻みたい。(下野宏一)
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